2006年12月24日【中山競馬第9レース】
引退レースにすべてをかけて・・
「ラストのレースにすべてをかけて乗りたい。次の有馬記念が彼の生涯最高のレースとなるように」ジャパンC快勝後の武豊はこう語りました。
16年前、当時はバブルの絶頂期、世の中も競馬も今まで以上に売り上げもあり盛り上がっていました、その引き立て役はなんといっても時代のスーパーホースオグリキャップに当時から天才ともてはやされていた若かりしころの武豊。
これまたディープインパクトとは違った意味で国民的ヒーローだったオグリキャップは有馬記念を迎える前2戦を期待に反して凡走してしまいました、そして最後にそのオグリキャップの引退レースを託された武豊は当時の限界説をはねのけ劇的な感動のラストランを飾ったのでしたね。
あれから16年の歳月が流れ、またここに大勢のファンから引退を惜しまれる国民的な英雄であるディープインパクトの引退レース、ファンの心に永遠に残るフィナーレを迎えたのです。
当日はもちろんのごとく早い時間から私も中山競馬場に連れを伴い向かいました。
去年でさえ16万人という人々が現地に訪れたので、今年は果たしてどれぐらいの人達が来場するのだろう、徹夜組もわんさかいると聞く、いつも中山にいったときはもちろん座れはしないがゴール版の近辺で立ち見をしているので今回はちゃんと観戦できるかなという不安もあってかなるべく早めに現地に到着しました。
運良く、朝から晴天にも恵まれ心地いい雰囲気の中で競馬を楽しむことができました。
1年前のまさかの敗退、そして凱旋門賞での屈辱の失格、さまざまな苦難の中でも陣営は攻撃的にディープインパクトを仕上げました、それもこれも今回のラストランにかける意気込みがあればこそのことであります。
ハーツクライは有馬を待たずして引退、しかし秋G1連勝中のダイワメジャーを筆頭にメルボルンC1、2着のデルタブルース、ポップロック、2冠馬メイショウサムソン、JC、菊花賞ともに2着のドリームパスポートが鞍上を大井の名手内田にスイッチして参戦してきました、ディープインパクトの引退レースにふさわしい面々が揃い、15時25分運命のファンファーレが鳴り響いたのです。
レースはアドマイアヤメインが予告通りの大逃げを打つ、主役のディープインパクトは今日も後方3番手からの競馬、ダイワメジャー、メイショウサムソン、デルタブルースあたりも早めに行く、向こう場面3コーナーに差し掛かるところでもまだディープインパクトは後方待機、3~4コーナー中間地点でもまだ動かない、最後の最後に爆発させる瞬間をまっているのかのように、勝負どころの4コーナーで場内からは地鳴りのような大歓声が沸き起こる、きたきた、ディープインパクトが一気にまくってきた、それも他馬が止まって見えるぐらいの凄い爆発力、そして直線に入ったところで武豊がゴーサインを出し左ムチ一発でゴール200M手前でトップに躍り出る、追いすがるものは誰もいない、凄い、凄すぎると私も心の中で唸りました!
ゴール前は武豊がディープインパクトをいたわるように抑える圧勝劇、最後もやはりディープインパクトらしい競馬でした。
周りはディープの勝利に酔いしれる人、涙を流している人、様々な光景が私の目にも写りました。
去年とは天と地の差、最高の瞬間にその場にいれたことがなんとも幸せを感じられる一瞬でもありましたね。
ディープインパクトは引退の花道を生涯最高の「飛び」で自らを華やかに飾ったとともに、最高のクリスマスプレゼントをファンに贈ってくれたのでした。
この日は私にとっても生涯忘れることのできない最高の一日になりました。
ディープインパクトよ、ほんとにありがとう。。
武豊の贈る言葉:ラストランを終えた今の気持ちは晴れ晴れというか清々しい気持ちです。
もちろん、ホッとしたという気持ちもありますが・・
印象の残るレースはと聞かれると、すべてのレースに強烈な思い出があるが、今日の有馬のディープはものすごく強かった、僕も驚きました。
昨年の有馬記念と凱旋門賞の敗れた2戦は残念ですが、ディープは常にベストを尽くしてくれました。
責任を背負って走る立場、負けたレースの印象度合いが強いのかもしれないけどキャリアに傷がつくものではないし、今でも僕はディープが世界一強い馬だと思っています。
ディープからは色々なことを学びました、怖さや面白さ、難しさ・・正直ジョッキーとして責任に応えなきゃいけないという苦しさや、辛い面もありましたけど・・
今ではたくさんの方々、ファンに惜しまれながら引退するのは素晴らしいことだと思います。
競馬場には戻ってきませんが、北海道に行けば会えるし、早くディープの子供に乗ってみたいです。
最後の引退式ではたくさんのファンの方々におめでとう、ありがとうと言ってくれたのが凄く嬉しかったです、その言葉をそのままファンの方々に返したい、そしてディープという本当に素晴らしい馬を褒め称えてくれれば最高です。
ディープインパクトの2006有馬記念をどうぞご覧下さい
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